【知識は自分を守る上で大切】
ある日突然、難病患者となり、何の準備もないまま、わからないことだらけで始まる指定難病の受診。
多くの患者は途方に暮れてしまいます。
Linkageでは、強皮症受診ガイドブック作成(2025年5月完成予定)の一環として、監修をお願いしている藤本学先生(大阪大学病院皮膚科教授)による「全身性強皮症の受診の仕方」セミナーを開催しました。
今回は「SDM(共同意思意思決定)による治療選択場面のロールプレイ」も実施して、患者の症状の伝え方、治療選択肢の説明、納得の行く選択など、セミナーの中で医師と患者のコミュニケーションを再現しました。
「外来診療は時間が限られています。その時間をいかに有効に使うか。漠然とした質問ではなく具体的に。その日、明らかにしたいこと(質問)をリストアップして『今日は、これを!』と決めて臨みましょう。主張すべきところは主張しましょう」と藤本先生は話します。
受診の準備は大切です。「患者からの情報提供」は治療を決めて行く手がかりになるからです。以下のポイントを覚えておきましょう。
★メリハリを付けて伝える
「こういうときに、こうなる」「いつに比べて、今はこう」「どのくらい」など、変化を具体的に伝えましょう。
・階段の上り下りで何度も休まないと動けない。
・咳が増えて、以前より息苦しさがある。
・いつに比べて~になってきた。
・~のときに、こうなる。
・○○の症状が生活や仕事に支障を来している。
・一番困っているのが~なので、~してほしい。など
★気になったことはメモしておく習慣を付ける
★何か起きたときにどうすればいいか確認しておく
土日祝日、平日夜、あるいは急変があったとき、どこにどのタイミングで連絡すればよいか必ず主治医に確認を。
★他疾患がある場合、また他の医療機関に通院する場合は、お薬手帳を見せて「全身性強皮症で治療をしています」と伝える。
セミナー参加者の声

先生のお人柄が滲み出るお話でした。お医者様の判断と配慮の過程がよく分かり視界が広がったように感じました。



大変勉強になりました。自覚症状の伝え方、現時点でどんな治療法があるのか、オススメは?等を次回診察時に主治医に確認したいと思います。



医師に「しんどい」とか「ここも、あそこも」と抽象的にマイナスなことばかり訴えがちになってしまいますが、効いてる薬や大丈夫な場面も伝えられるよう心がけていきたいと思います。



お話全てが栄養となるセミナーでした。共同意思決定には信頼関係が大切だなあと改めて思いました。別の持病で他の病院にかかっている場合の伝え方について、お薬手帳を見せるというのは、次回早速やってみます。



ロールプレイは自分のことのように聞き入ってしまいました。私たち患者がある程度の知識を持って受診する事が大切であり、その役目を担うようなガイドブックができればと思います。



患者も強皮症の知識を学び、症状の伝え方等も工夫して医師を味方につけるようにコミュニケーション能力を磨いていきたいと思います。