参加者は会場21名、オンライン10名。
講演①「患者参画とは何か」
畑中和義さん(JPPaC前理事長)
患者の経験的知識は社会の共有財産であり、患者が積極的に医療に参加、薬の開発に参加することが医療を変える。患者参画は患者にとっても製薬企業にとってもメリットが大きい。患者団体と製薬企業のパートナーシップを構築したい。そのためには患者の声がとても大切。
講演②「医療用医薬品の研究開発について」
奥瀬正紀さん(Inspire Japan WPD代表理事)
「薬の候補」が薬になるまでには長く険しい道のりがあり、その最終段階に治験があり、治験は患者の協力なしにはできない。治験に対するネガティブなイメージを払拭し、患者の協力を得ることが出来れば、薬の開発が進む。治験に参加する患者は法的に守られており、権利、安全、福祉が保護されていることを知って、安心して治験に参加するかどうかを決めて良い。
治験トークは、お弁当を食べながら4名の経験談を聞きました。
・現在治験に参加中。この治験薬が承認されたとき、自分が協力したと思えたら誇らしい。
・治験に参加したかったけど通院頻度を考慮して参加を断念。
別の治験に参加したいと思うが、現状、条件が合うものがない。
・診断時に「治療法がない」と言われたので「それなら治験をしよう」と思ったけれど、周囲に聞いても情報が得られなかった。
・信頼できる医師と出会って、治療に前向きになり治験に参加したおかげで人生が救われた。
休憩後、ピアカフェでは四つのグループに分かれ、ファシリテーターの進行で歓談。どのグループもとても盛り上がり、最後にまとめを話して写真撮影し、滞りなく楽しく終了となりました。
これまで「治験」を身近に考えることがなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のセミナーで「治験とは何か」を知ることができ、治験は患者の安全性や権利を一番に考慮された試験であること、患者の希望となる新たな薬の開発に欠かせない試験なんだと理解できたと思います。
また、今回は一般社団法人日本強皮症患者の会~絆~の代表理事さんと理事さんのご参加もあり、大変嬉しく思いました。
Linkageの名前の通り、いろんな人たちと繋がって情報交流の輪が広がり、病気のある人もない人も障がいのある人もない人も皆が生きやすい環境を作っていきたいと思いました。
オンラインにて参加させていただきました。画面越しでも皆さんの熱気が伝わってくるようでした。
特に、治験トークで生の声を聞けたことがありがたかったです。基礎治療の上乗せの治験の場合はプラセボでも安全が担保されていること、やめたいときは理由なくやめられること、通院の頻度が治験検討の大きなポイントになりうる(負担感の許容範囲)ことは、今後自分が検討する時の大きな材料となりました。
・治験は「診療」と「研究」を兼ね備えたものである
・治験薬が合わなければ患者の意思で中止することが出来る
・なんとなく合わないなどでも理由を医師に言う必要はない
など、患者の安全性が前提であることを患者として知っておいた方が良いと感じました。
また、医療機関からの説明が簡潔明瞭で分かりやすいということも大切だと思います。
患者参画と治験の重要性を再認識しました。
診断直後に治療法がないと言われて、「それなら治験に参加しようかな」と思ったエピソードをお話させていただいきましたが、「今後の治験の普及にちょっとは貢献できたかな」と思うと嬉しいです。
「治験に参加してみたいな・・・」と思ったときに、自分に合う治験情報を知ることができれば参加する方も増えると思うので、患者が医療に参加することや情報発信することを進めていきたいと思います。